東洋医学が解き明かす発酵食品の健康効果 〜古の知恵と現代科学の融合〜

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味噌や納豆、甘酒などを美しく並べ、発酵食品と東洋医学の調和を表現した写真です。
発酵食品と東洋医学、それぞれの知恵が調和する食卓

発酵食品は、古くから人々の食生活に根付いてきました。そして、その健康効果は、現代科学の視点からも注目されています。実は、東洋医学の考え方からも、発酵食品の効果を説明できます。

本記事では、東洋医学の考え方から発酵食品の役割を紐解いていきます。具体的には、「気血水理論」や「五行説」といった考え方を取り上げます。あわせて、腸内環境や免疫力との関係も、現代の研究をもとに解説します。

それでは、古の知恵と現代科学、その両方から発酵食品を見つめ直してみましょう。

なお、琉樹商店の手作り調理味噌も、そんな発酵食品のひとつです。

東洋医学から見る発酵食品の力

発酵食品は、東洋医学において古くから重要な存在とされてきました。というのも、発酵食品の効果は、古代からの理論によって説明できるからです。具体的には「気血水理論」や「五行説」がそれにあたります。

東洋医学の気血水理論と発酵食品の関わり

気血水理論とは、東洋医学の理論のひとつです。「気」は生命活動を支えるエネルギー、「血」は体に栄養を届ける血液、「水」は体液や潤いを指します。この3つのバランスを健康の基本と考えます。そして、発酵食品は、このバランスを整える食品のひとつとされています。

この考え方があるからこそ、味噌や納豆といった発酵食品は、古くから体づくりを支える食品として親しまれてきました。具体的な仕組みについては、次の章で詳しく見ていきましょう。

気・血・水の三要素と、中央に配置した味噌汁や納豆との関係を図解で表したイラストです。
東洋医学では、「気・血・水」の調和が健やかな体づくりの基本と考えられています

東洋医学の五行説にみる発酵食品の分類

五行説は、木・火・土・金・水という5つの要素で、自然や体の働きを説明する理論です。そして、この考え方にあてはめると、発酵食品もそれぞれ異なる性質に分類されます。

たとえば、酢やヨーグルトは酸味の発酵食品です。「木」に属し、肝臓の働きを支えるとされています。また、発酵茶葉のような苦味の食品は「火」に属し、血のめぐりを助けるとされています。

甘酒や味噌のような甘味の食品は「土」に属し、消化機能を整えるとされています。さらに、キムチのような辛味の食品は「金」に属し、免疫力の向上にかかわるとされています。そして、魚醤のような塩味の食品は「水」に属し、水分代謝を助けるとされています。

このように、五行説による分類は、現代の機能性食品研究にもつながる考え方です。なお、発酵についてさらに詳しく知りたい方は、農林水産省「発酵」の不思議もあわせてご覧ください。

木・火・土・金・水の五行と、それぞれに対応する発酵食品をまとめた図解です。
五行説では、発酵食品も五つの性質に分けて考えられています

東洋医学に学ぶ「脾胃」と発酵食品の関係

東洋医学では、「脾胃(ひい)」が消化吸収を担う重要な臓器とされています。そのため、この脾胃の働きを支える存在として、発酵食品が古くから活用されてきました。そこで、脾胃と発酵食品の関係、そして腸内環境との結びつきを見ていきましょう。

脾胃を整える発酵食品の知恵

脾胃論』には、脾胃が弱ると全身の気力が衰えるという考え方が記されています。そのため、この脾胃を助ける食品として、発酵食品が重視されてきました。というのも、発酵によって食材が消化吸収しやすい状態に変わるためです。

本草経集注』には、発酵によって食品の性質が、気血を補う方向へ整う、つまり体に活力と栄養を届けやすい性質に変わるという考え方が記されています。こうした考え方は、味噌や納豆といった発酵食品にも通じるものです。

こうした伝統的な知恵は、現代の栄養学とも矛盾しません。なぜなら、発酵によってたんぱく質が分解されるからです。分解されたたんぱく質は、吸収しやすいアミノ酸に変化することが分かっています。

腸内フローラと現代科学の接点

脾胃論が説く「消化を助ける」という考え方は、現代の腸内フローラ研究とも重なります。というのも、発酵食品に含まれる乳酸菌や酵母は、腸内の有害物質の排出を助け、善玉菌を増やす働きを持つためです。

善玉菌が優位な腸内環境では、短鎖脂肪酸の産生が活発になります。なかでも酪酸は、腸管の細胞のエネルギー源となり、腸の動きを活発にします。そのため、腸のバリア機能を保つだけでなく、便通の改善にもつながっているのです。

脾胃を整えるという東洋医学の知恵は、腸内フローラを整えることでも裏づけられます。つまり、東洋医学と現代科学は、根底でつながっているのです。そのため、毎日の食事に発酵食品を取り入れることは、両方の観点から理にかなった習慣といえます。

味噌や野菜を使った料理の様子で、腸内環境を整える食生活を表している写真です。
発酵食品は、腸内環境を整える食生活の一部として注目されています

東洋医学の「正気」と発酵食品の免疫力

東洋医学には、「正気(せいき)」という考え方があります。これは、病気に対する体の抵抗力を指す概念です。そして、発酵食品は、この正気を養う食品として古くから位置づけられてきました。免疫力との関係を、東洋医学と現代科学の両面から見ていきましょう。

「正気」を養うという東洋医学の考え方

黄帝内経』には「正気が体内に充実していれば、邪気は入り込めない」という趣旨の記述があります。そのため、この正気を養う手段のひとつとして、日々の食養生が重視されてきました。

発酵食品は、消化に負担をかけずに栄養を補える食品です。そのため、脾胃を通じて正気を養う食品として、古くから食卓に取り入れられてきました。実際、『本朝食鑑』にも、味噌をはじめとする発酵食品が滋養に富むと記されています。

味噌汁を囲んで食事を楽しむ夫婦の様子で、発酵食品が支える健康的な食生活を表している写真です。
東洋医学の「正気」の考え方と、毎日の発酵食品の習慣には共通点があります

腸内環境と免疫細胞の関係

現代の研究では、腸には全身の免疫細胞の多くが集まっていることが分かっています。そのため、腸内環境が乱れると、この免疫細胞の働きにも影響が及ぶと考えられています。

発酵食品に含まれる乳酸菌には、腸内の免疫細胞を刺激する可能性が研究されています。あわせて、発酵によって生まれる短鎖脂肪酸も、免疫細胞の働きに関わっているとされています。

つまり、善玉菌が優位な腸内環境は、体の備えを整えることにもつながります。外部からの脅威に対する抵抗力を高める効果も期待できるのです。

正気を養うという東洋医学の知恵は、現代科学の知見とも重なります。腸内免疫を整えるという考え方と、根底でつながっているのです。そのため、発酵食品を日常的に取り入れることは、その両方にアプローチする習慣です。

季節の変わり目の体調管理が気になる方は、秋なき冬、広がるインフルエンザ――味噌と発酵が守る腸と免疫もあわせてご覧ください。

体質と季節で選ぶ発酵食品

東洋医学では、人によって体質が異なるという考え方を大切にしてきました。そのため、同じ発酵食品でも、体質や季節によって向き不向きがあるとされています。ここでは、体質・季節に応じた発酵食品の選び方を見ていきましょう。

体質に合わせた発酵食品の選び方

東洋医学では、体質を大きく2つに分けます。冷えやすい「寒証(かんしょう)」と、熱がこもりやすい「熱証(ねっしょう)」です。たとえば、寒証の方には、味噌や甘酒が向いています。というのも、体を温める性質を持つとされているためです。

一方、熱証の方には、酢や発酵茶が向いているとされています。というのも、体の熱を鎮める性質を持つとされているためです。自分の体質を知ったうえで発酵食品を選ぶことは、東洋医学ならではの視点といえるでしょう。

季節にあわせた発酵食品の取り入れ方

東洋医学には、季節ごとの養生を大切にする考え方もあります。たとえば、冬は体を温める味噌や納豆が適しています。また、夏は発酵によってさっぱりとした酸味が生まれる酢の物が適しているとされています。

季節の変わり目には、腸内環境が乱れやすいともいわれています。だからこそ、この時期に発酵食品を意識的に取り入れることが、体調を整える助けになるでしょう。

ここまで、気血水理論や五行説、脾胃、正気といった東洋医学の視点から、発酵食品の効果を見てきました。古の知恵と現代科学、そのどちらの観点からも、発酵食品は健やかな毎日を支えてくれる存在です。ぜひ、日々の食卓に無理なく取り入れてみてください。

美肌への効果について詳しく知りたい方は、美肌への近道!味噌の美容効果を徹底解説もあわせてご覧ください。

四季をイメージした味噌や漬物が並び、体質や季節に合わせた食品の選び方を表している写真です。
体質や季節に合わせて発酵食品を取り入れることが、東洋医学では大切にされています

よくある質問(FAQ)

Q1. 東洋医学でいう「発酵食品が体にいい」とは、具体的にどういう意味ですか?

東洋医学では、発酵食品は「脾胃」の働きを助け、消化吸収を高める食品とされています。あわせて、体を守る力とされる「正気」を養う食品としても位置づけられています。

Q2. 発酵食品は毎日食べたほうがいいのですか?

はい、毎日の食事に少しずつ取り入れることをおすすめします。たとえば、味噌汁や納豆など、無理なく続けられる形で日々の食卓に加えるとよいでしょう。

Q3. 体質によって、選ぶべき発酵食品は変わりますか?

東洋医学の考え方では、冷えやすい体質の方には味噌や甘酒が向いています。一方、熱がこもりやすい体質の方には、酢や発酵茶が向いているとされています。

Q4. 発酵食品と腸内環境の関係を、現代科学の視点から教えてください。

発酵食品に含まれる乳酸菌や酵母は、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。そして、善玉菌が優位な環境では、短鎖脂肪酸の産生が活発になります。その結果、この短鎖脂肪酸が、腸のバリア機能や免疫細胞の働きにも関わるとされています。

Q5. 味噌はどのような発酵食品にあたりますか?

味噌は、大豆と麹をじっくりと発酵させてつくる発酵食品です。東洋医学の五行説では「土」に属するとされています。消化機能を整える食品として位置づけられています。

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